「四次元かばん」sionでは珍しい小物
5wayコードホルダー(イヤホンホルダー)。
以下の5つの用途で使える。
- イヤホンホルダー
- コードホルダー
- ストラップホルダー
- (ストラップ時)ペンホルダー
- (ストラップ時)眼鏡・サングラスホルダー
こういう革小物は
ファッションに組み合わせるだけで
大人の "ちゃんとした感" が演出できる、優れもの。
制作過程
ハッカー用かばんのアジャイル制作で
大学の先生のところへお邪魔していたら
何やら、 PCに暗号らしきものが…
「これ何ですか?」と尋ねたら
「あ、それは Brainf*ckっていう言語。
今日の講義で使おうかと思って」
ざっと言語の説明をしてもらったら
アーティスティックで、面白い!
家に戻り、調べると
たくさんのbrainf*ckerがいて
多種多様なbrainf*ckを公開している。
その言語の潔さ、遊び心、チューリング完全
といった魅力にハマり
私は、その日パソコンの前で大笑いしつづけた。
翌日、この感動を形にしたいと
"8個の実行可能な命令"用の刻印を
活字屋さんへ買い求めに行った。
デザインのオプションとして
革にbrainf*ckを刻むのだ。
刻印が小さすぎたためか
思いのほか打つのに苦労して…心が折れ
今回の作品は「小さめ」に決定。
先日、先生がイヤホンを絡ませていたので
(AirPodsあるんだから、使えばいいのに)
イヤホンホルダーを作ることにした。
もしイヤホンに使ってもらえなくても
PCアクセサリやコード類にも使えるから
いくつあっても邪魔にはならないだろう。
ご出身が栃木だから
材料はヌメ革「栃木レザー」の
プルアップ、クラシコあたりを使う。
普段の制作は
かばんなどの「大きめ」がメイン。
今回は「小さめ」だから簡単だろうと思っていたら、甘かった…
「大きめ」だと1mm〜1cmの調整が
「小さめ」は0.1mm〜1mmの調整が必要で
小物は0.2mmデザインを変えると
こんなにも印象が違うものか!と呆然とした。
全体のサイズは、革を折った時に
黄金比になるようなバランスにして
安定感のある角丸にした。
角丸のRはいくつ?
ベストな使用感の革厚は?
糸の太さと色は?
スリットの長さは?
何mmの太さのコードまで対応させる?
糸目の間隔は?
淵からの距離は3.0mmか、2.5mmか、2.0mmか、1.5mmか…
なんてやっていたら
サンプルの山が積み上がった。
ひととおりの結論を出しても、最後に
形状を「平」にするか(下の画像、左)
「丸」にするかという(下の画像、右)
大きな問題が残った。
平は男性的なシルエット
コードをカチッととめられる
丸は女性的なシルエット
コードをたくさんとめられる
どちらの方が機能的なのか
どうしても結論が出ないので
利用者に委ねる(=両方作る)ことに。
コバ(裁断面)を磨いたり、塗ったりして…
やっと完成。
使い方
好きに使っていただけたらいいけれど
ちょっとしたコツや慣れで
使い勝手が、かなり良くなりそう。
まず、2つのスリットにコードを通す。
ホルダーに指を2本程度添わせた状態で
コードをクルクルと巻きつけていく。
巻きつけるコードの太さや長さによって
指の本数を変え、巻く円の大きさ調整をする。
(細い物なら指1本、太い物なら指4本など)
巻き終わりの適度なところで
ホックをパチン。
(「平」の形状は
親指を差し込んでホックを外しやすいように
裏の革を、表の革より2mmずらしてあります。)
機器の使用中は
スリットからコードを抜くことなく
ホルダーをホックでとめた状態のまま使用。
すると、機器を使用した後に
ホルダーどこだっけ?と、探すこともなく
すぐにコードをまとめられて、時短、便利。
最初は革が硬く感じると思いますが
使用しているうちに
イイ感じに革が馴染んできます。
使用例
イヤホンホルダーだけでなく
約3.3cm幅のスリットに通るコードであれば
iPadやPCの充電器コード、ストラップなど
何でもクルクルまとめてOK。
ストラップとして使用する際には
ペン用ホルダーとしても使える。
キャップ式のペンなら、
ホルダー部分にキャップをとめて
本体だけをサッと抜き出せば、スマート。
この100均ストラップでも
革小物を一つ加えるだけで
シックな大人の雰囲気に。
同じく、ストラップ使用時に
眼鏡・サングラス用ホルダーとしても利用できる。
”眼鏡がナイナイ”のび太くん、を防止。
カジュアルな格好でも
革小物を一つ身に付けるだけで
”ちゃんとしてる感じ”が演出できる。
Brainf*ckerに捧ぐ
いろいろな人に試用してもらって
好評だったので、問題なく商品化。
制作過程で出た大量の試作品たちも
家の中、かばんの中など
至る所で大活躍してくれている。
さて、今回は(勝手に)
”Brainf*ckerに捧ぐ”というテーマで
制作したけれど
Brainf*ckで、革に何と刻んだか?
答えは"geek"
+++++++++[>+++++++++++<-]>++++.--..++++++.
次回、先生の元を訪れる際のお土産にしよう。