サッシュベルト 〜革とショールの異素材による試作 

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サッシュベルト 〜革とショールの異素材による試作 

以前、帯の仕立て職人さんに
ヴィトンのショールで
帯を仕立ててもらったことがある。

 

こういう変わったものを
身につけていると
それだけで話題がうまれ、人が集まる。

帯

経営者が多く集まるパーティでは
個人的な連絡先を教えてもらうのに
とても重宝したものだ。

 

当時、懇意にしていた
帯仕立て職人さんは
職歴60年以上のベテランで

 

大正時代の帯の直しや
着物からのリメイク帯や
変な柄の大風呂敷を帯に仕立てるのやら

 

どんなに難しい帯を依頼をしても
「変な仕事、持ち込むんじゃないわよ」
と悪態つきながら
人を感動させる仕事をする人だった。

 

なのに、ヴィトンの新品ショールを前に
「本当にいいのね!後戻りできないわよ」
と何度か言い放った後
そ〜っとハサミを入れる姿を見て

 

この怖いもの知らずにも
躊躇する素材があったか〜!
と、おかしくて大笑いした覚えがある。

 

今回、箪笥から
ショールの余り布を見つけて
当時の懐かしい気持ちが蘇り

 

今なら、彼女の気持ちが
少しはわかるかしら…と
私なりに革で帯(ベルト)を作ってみようと思った。

 

(当時は大企業でIT系の仕事に就いていて
まさか自分がモノづくりで生きていくとは
想像もしていなかった。)

サッシュベルト

手元にあるエピに似た革をベースに
ショールの余り布を、装飾で合わせていく。

 

ショールの織が荒いため
油断すると、目を引いてしまい
簡単に柄が崩れる。

サッシュベルト

ほつれが出ないよう
布端をべったり貼付けて固定し
目が縒れないよう、慎重に
手縫いで革に縫いつける。

 

負荷がかかる結び目は
柄を保つことができそうにないので
ショール端の柄のない箇所を用いた。

サッシュベルト

この厄介な素材を、帯に仕立てて
使える状態にできるのは
ベテランの彼女にしか
出来ない仕事だったな、と再確認した。

 

当時、よく仕事場へ遊びに行くと
「ここを0.5ミリずらして縫うとね
帯をしめた時に綺麗に見えるのよ。
企業秘密だから、内緒よ!」

 

と、ミシンでは出来ない手縫いのコツから
帯仕立ての裏事情まで教えてくれた。
当時は、ふーんという感じだったが

 

今は、自分でモノを作り
人からお金をもらうようになって
その0.5mmの大きさが実感できるようになった。

 

職人さんの仕事には、いつも感服する。
私は職人ではなく
クリエイターだけれど

 

彼女と同じように
どんな仕事でもこなし
人を感動させるモノを生涯作りたい
と強く願う。

 

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