スマホカバー(般若心経デザイン)〜コロナ禍に悼む

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スマホカバー(般若心経デザイン)〜コロナ禍に悼む

2020年3月
連日のコロナ関連のニュースに
心が萎縮し

 

何もできない自分の無力感から
朝焼けの中
般若心経を写経する日が続いた。

般若心経の写経

墨の香りは
香を聞くときの炭の香に混じり合い
心を和ませてくれる。

 

数日かけて何枚か書き終わると
少し心が落ち着き、ふと
「そうだ、般若心経を革に刻もう」
と思い立った。

 

普段、革に刻印をする際は金属版を用いる。
金属版は耐久性が高いが、値段も高いので
使用頻度の低い大きな刻印は、発注に慎重になるものだ。

 

良い機会なので、
単価が安い樹脂版をテストしてみることにした。
早速、製版屋さんへ、いろいろな線画パターンを入稿。

文字の刻印

届いたモノを見ると
こんなペラッとしていて大丈夫なのか、と
不安になったが

 

活字の初号サイズ以下なら
1トンのプレス機でも
いけそうな手応え。

 

しかし、今回の般若心経は
初号より大きい文字を連ねている。
3トンプレス機に全体重をのせても
ムラが出る場合があったので、革種を選ぶ必要がありそうだ。

文字の刻印

活字屋さんの版は
書体によって、サイズが限られる。
欠品も多い。

 

旧字体かつ長文の般若心経では
なおさら
版を全て揃えることは難しいだろう。

 

しかし、この樹脂版の入稿方式なら
デザインとして
どんな書体でも、どんなサイズでも自由だ。

 

今後、刻印しやすい革を選んで
プレスのコツを掴めば
デザインの幅が広がる可能性を、確認できた。

般若心経のデザイン

例えば
日本刀ケース
「日本書紀」「古事記」の
草薙剣の一節を刻むとか

 

ウクレレバッグ
ハワイ語で
「Kaimana Hila(カイマナ・ヒラ)」を刻むとか

 

ハッカーバッグ
難解プログラミング言語や
オイラーの等式を刻むとか。

 

それが
デザインとして美しいなら
何でもアリだ。

 

今回のスマホケースは
プレステスト用、かつ私用品なので
仕上げは簡単に。

般若心経のデザイン

そして
一人静かに
コロナ禍に悼む。

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